先月に大団円を迎えた原信夫とシャープス&フラッツ。
最後の4日間のうちの一日、八王子市民会館でのコンサートがCDとして発売される予定です。
これは「ジャズとラテンの饗宴」、見砂和照と東京キューバンボーイズとの、二つのビッグバンドによるジョイント。
原さんから連絡があり、トラックダウンにお付き合いしました。
全体を通して聴くと、会場の空気がだんだんと熱を帯びて行く様子がわかります。
原さんの音楽全体を聴く耳は参考になりました。
音量バランスを整え、出すべき音は鮮明に、そうでない音は主客を逆転させます。
まだマスタリングが終わるまで分からないのですが、今のところ良いアルバムになっています。
これなら面白い!
全5曲、賞味45分は最近のCDにしては短くまとまっています。
しかし音楽は量より質。
リリースが楽しみです。
作業後、原さんと食事をしました。
久しぶりに、多くの話ができました。
今回改めて分かったことは、ビッグバンドのリーダーがいかに激務かということ。
原さんは、やっと凄く重たい肩の荷を下ろされてホッとしているそうです。
考えてみれば、確かにその通り。
60年間、戦ったて来られたわけです。
戦後のジャズは、お手本になる新しいスタイルを持った先輩が皆無だったそうです。
毎日仲間で集まり、ああでもない、こうでもないの中からジャズの方法論を作り上げたそうです。
原さんのバンドは下士官クラブで演奏。
そのために、日本で最も早くエリントン、ベイシー、ディジーやパーカーのビバップを聴くことができたそうです。
この時代の証言は貴重です。
最後に、「これから日本のジャズがどうなるかは、君たちの責任だよ。」とおっしゃいました。
正にその通りです。
この状況のままでは、そのうち韓国やアジアの周辺諸国より音楽活動が厳しい状況になるやもしれません。
ジャズは個人的なものですが、大局的に音楽状況を考えることのできるミュージシャンが必要です。