藍色の研究

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2010年 09月 04日

目黒・Jay-J'S Cafe

最近は非常にたくさんの本を読んでいます。
決して打算的に知識を吸収しようなどとは考えていないのですが、結果的に音楽に当てはまってきます。

またたくさんの知識を提供してくれる友人も存在し、たいへんに感謝しています。
知識はそれだけでは何の役にも立ちませんが(僕らの職種の場合)、自分の中で時間をかけて熟成すれば智恵に変ります。

まだ読書中ですが、マイケル・サンデル著「これからの正義の話をしよう」は、新たな考え方を開いてくれそうです。
政治哲学の話なので、門外漢の僕にとっては簡単には読み進めることができません。

ところでここに功利主義という概念が出現します。
これは興味深い。
僕が30年間、自分も陥りそうになり最も危惧していたのが音楽における功利主義。

とてもここでは書ききれませんが、2,3の例を出します。
功利主義者は楽器のテクニックを、音楽の創造性よりも上に見ます。
功利主義者は理論を、全体のソロの構築と精神の高揚より優先します。

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例えば「何であんなプレーヤーが有名で人気があるのか分からない」と憤るトランペッター。
その対象は、チェット・ベーカーだったりします。

正直に言って、僕も若い頃にその偏狭さを十分に持っていました。
しかし師事した先生は、功利主義者ではありませんでした。
それでも僕には真実が分からなかったのです。
思い返してみれば、我ながら自分の愚鈍さに驚きます。

ジャズミュージシャンには酒と煙草と・・・・と・・・・は、切っても切れない。
とか、
真面目に考えていると音楽はできない、とか・・・。
先輩方から教えられたことは、功利主義を忌み嫌う言葉の数々でした。
しかし残念ながら、これは本質とは無関係です。

今は少し真実の影を、一瞬ですが見たような気がしています。

by sunrisek6 | 2010-09-04 10:09 | ライブ


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