藍色の研究

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2012年 08月 28日

宇都宮・ジャズクルージング

宇都宮市で毎年2回行われる、ジャズクルージング。
基本的に1.000円のチケットを購入すれば、宇都宮駅周辺の16か所の会場やライブハウスでジャズのライブを聴くことができるというイベントです。
観客はチケットを手に、市内数か所を文字通りクルーズする訳です。

宇都宮・ジャズクルージング_b0094826_0382316.jpg昨年に続き呼んで頂いたのは、佐藤康弘氏。

氏は社会人バンド「スーパーソニック&キャラメルホーンズ」のバンドリーダーです。
自身のバンドの留まらず、コンサートの企画実行までこなす実力があります。

また非常に明るい方で、楽屋は笑いが絶えません。


今回は2日間で3つのコンサート会場で演奏しました。
一日目は護国神社での復興支援チャリティーと、
宇都宮駅前のホテル内レストラン。




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まず最初に栃木県護国神社に参拝です。
護国神社は全国にあり、戦没者が祀られています。
ところで東京で活動するベテランベーシストの香川裕史氏と参拝したのですが、彼の綺麗な参拝の型に感心しました。
このようなことは重要ですね。
見習おうと思います。

さて、その中のホールでのコンサート。
最初は佐藤康弘バンドの演奏。
宇都宮・ジャズクルージング_b0094826_048199.jpg

ヴォーカル入りではポピュラーを中心とした演奏。
アマチュアとは思えないアンサンブルで、バンドはしっかりとまとまっています。
そして2部は僕とベースの香川裕史氏が加わり、ジャズコンサートになりました。
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ピアニストは本業がアルトサックス。
櫻井君はまだ20歳で、プロのジャズメンを目指す若者です。
一緒に演奏しているのは、お馴染み「Confirmation」。
フレーズの流れは良いので、これからは音楽的知性を磨いて行くことでしょう。
いつものことですが、観客はジャズファン以外が多い。
それでも現在開発中のフレージングは交えて演奏します。
演奏側に真剣さと新鮮さがあれば、それは観客に伝わる可能性が高くなります。

宇都宮・ジャズクルージング_b0094826_058573.jpg

夜はホテルのレストランをコンサート会場として使用しました。
昼間から共演した、栃木県在住のヴァイブ奏者の小林啓一氏と一緒です。
そこに佐藤バンドのフルーティスト、稲見郁恵(ふみえ)さんが参加。
彼女はウイーンで本格的なクラシックを学んだプロのフルーティスト。
ジャズの即興演奏に興味を覚え、現在僕の自宅へホームレッスンにいらしゃっています。
僕としては彼女の実に柔らかいフルートの音色に感服し、どちらが習っているのか分からない状態です。
フルートに関しては、かなりの情報を頂いています。

昼夜のコンサートが終了して少し疲れてはいたのですが、行かねばならない場所があります。
宇都宮のジャズの中心、老舗ジャズクラブ(ジャズ喫茶と言った方が良いかも)「近代人」です。
渡辺貞夫氏とも昵懇の間柄であるマスターは、宇都宮ジャズメンの拠り所でもあります。
僕も若い頃に自分のバンドでお世話になりました。
香川氏と連れだって店に入ると、入り口ギリギリまで立ち見。
お手伝いの人に危うく追い返されそうになっていたところ、お客さんの誰かが気付いてマスターを呼びにいってくれました。
いきなり「良く来たな~」とハグされて客を押しのけ店内へ。
そしてすぐに4曲連続で吹かされました。
やはりジャズ喫茶の歓声は好いな~。
僕はこういうところで育ってきたので、故郷へ帰って来たようです。
地元のTp,Asの2フロントバンドも、ブルースフィーリングたっぷり。
さすがに「近代人」です。
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マスターは73歳におなりですが、昔と全く変わりません。
楽しかったので、香川氏と3時までこの店でマスターや多くのお客さん、ミュージシャンと話をしました。

翌日は「インターパーク・スタジアム」でのライブ。
佐藤さんが「大山さんも、ついにスタジアムでのデビューですね~!」とおっしゃるので、相当大きなところと考えていると違っておりました。
高速道路近くのショッピングモール内での演奏だったのです。
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決してこのバンドがクリアランスセールをしているのではなく、後ろの売り場がセールをしているのです。
しかし何となく笑えます。
それと在庫一掃、在庫処分というよりクリアランス・セールと言った方がイメージが上がるのでしょうね。
興味のある現象です。

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こういう場所での演奏は滅多にないのですが、始めてみれば興味深く耳を傾ける観客と集中して演奏するバンドという図式は同じ。
途中で席を立つ観客もいません。
面白い経験でした。

夏の終わりに非常に楽しい演奏を持つことができ、佐藤さんを始めバンドのメンバーに感謝します。

このイベントはお店によって若干の追加料金が発生するなど難題はありますが、そんなことは些細なことです。
人口50万人の都市で、これだけのジャズフェスを成功させるのは素晴らしい。
アマチュアバンドから参加料を徴収し2.000人規模のジャズフェスをやるのも構いませんが、演奏の質を考慮するとジャズファンを獲得するどころか逆効果も憂慮されます。
宇都宮のジャズ・クルージングが長く続き、ジャズ文化が次世代に繋がって行くことを願います。

by sunrisek6 | 2012-08-28 01:31 | コンサート


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