しゅうさえこさんの30周年コンサートを、赤坂草月ホールで行いました。
彼女は1981年頃にNHK「おかあさんといっしょ」の歌のお姉さん。
その後は日本の抒情歌を中心に活動し、また作詞作曲家としても活躍しています。
同局「みんなのうた」にも多くの楽曲を提供し、僕も知っている作品が数多くありました。
30曲のプログラムだったので、8時間のリハーサルを二日間行いました。
音楽監督は昔の相方だった、ピアニストの西直樹。

僕はジャズ以外の仕事をやることはめったにありません。
自分のアイデンティティーに不安が生じるからです。
しかし今日はコンサートを楽しんで演奏できました。
彼女の歌は、心の琴線に触れるからです。
ジャズミュージシャンは、良い音楽には敏感です。
今日のバックはベースの加藤真一とパーカッションの菅原裕樹。
西直樹の何も書かれていない譜面に当惑しましたが、即興演奏で歌のフィルインをやることになるために、かえって音楽的な室は高くなったようです。
勿論、けがの功名ですが。
実は昔から涙腺がゆるい方で、懐かしい歌には必要以上に反応してしまいます。
普通は歌手が音程をはずした時点で、ハッと我に帰るのですが、彼女の場合はそれがありません。
東京芸術大学の声楽科を卒業、しかも安宅賞を受賞ですから僕なんかとは違います。
観客の皆さんも心から歌を楽しんでいるようでした。

終了後は少人数で打ち上げ。
殆どのスタッフは多くの荷物の整理などがあり、出席できません。

飲みながら色々と話をしましたが、彼女は大学で僕の一級下です。
在学時に会ったことはありませんが、多分学食などですれちがっていたことでしょう。
御主人も芸大で、美校の建築だそうです。
僕の右は彼女の息子さん、村田匠君。
自らラテンバンドを主催して精力的に活動しています。
情操教育の重要性を教えられました。
ところでしゅうさんは「周」が旧姓なのですが、全く中国系ではありません。
まあ日本人は複合民族ですから、4つ以上の民族が混ざっています。
因みに僕は間違えなくミクロネシアがルーツでしょう。
機会があれば、またコンサートに参加したいと思います。
やはり歌は、最もインパクトの強い音楽表現の手段かもしれません。
久し振りで、そう思いました。