藍色の研究

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2013年 02月 20日

東京文化会館(小ホール)

母校である東京芸術大学サキソフォン科の学生によるコンサート。
20回目を迎えました。

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トップは学部1年生のカルテットで、D.マスランカ「マウンテン・ロード」。
久し振りに聴いたサキソフォンカルテットは、正直に心地よいサウンド。
現在の学生が若くして相当の実力を持ったことを知り、後輩達の活躍に嬉しくなりました。

プーランクの「オーボエ、バスーンとピアノのための三重奏曲」はソプラノ・サックスとテナーサックスでアレンジしてあり、この編曲には不自然さを感じます。プーランクらしくないのです。

ヴィラ・ロボスの「ファンタジア」は、ソプラノサックスの素晴らしい演奏(修士課程2年生)が聴けました。

続くダリウス・ミヨー、このフランスからアメリカへ亡命した作曲家はチャーリー・パーカーも憧れた芸術家です。「スカラムーシュ」は元来ピアノ連弾曲だったものを作者自らアルト・サキソフォンのソロへ書き直したものです。

ただプログラム全体が、古い音楽に終始していたことには少し失望。
学生は、教師や一般の大人が理解不能で顔をしかめる斬新な音楽をやるくらいがちょうど良い。

この点、唯一の委嘱作品は現代的な手法を使用した新作には期待の高まるところ。
マルチフォニックやキーアクションのノイズ、あるいは無音のホワイトノイズを音楽の位相的な効果を狙って作り上げらています。
しかしながら、その作曲技法に新しい場面は少なく、結尾部においては完全な調性音楽へ戻り、リズムも極めて単純なものであったために欲求不満が残りました。

僕が在学している時代より、圧倒的に技術力やソルフェージュ能力は向上しています。
だからこそポピュリズムを前面に出したプログラムには、疑問を感じるのです。

音楽家や音楽愛好家は「B層」であってはなりません。
反論がある方は、百年近く前に著されたスペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットの「大衆の反逆」を一読されることを強くお勧めします。

by sunrisek6 | 2013-02-20 09:19 | 文化芸術


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