現在のカルテットでのレギュラーメンバーをリズムセクションに迎えてのセクステット、新宿サムデイでした。
今回の演奏は、久々の記録更新。
もちろん演奏上の完成度においてです。
楽器の奏法上の発見がひと段落して、今度は即興演奏のやり方に変化が表れました。
何がどうなったいるか説明し難いのですが、頭の中のイメージを時代性や慣用句から切り離す道程で湧き上がってくるメロディーを捕まえる、と言えば近いでしょうか。
何にしても広瀬潤次と本川悠平の大きく、そしてポイントの明確なビートの寄与があったからこそです。
そしてヨーロッパ3週間のコンサートツアーから帰国した、椎名豊の華麗で多彩なコードワークとソロ。
それに加えてルイス・パジェのアドリブ・ラインの大きな向上。トランペットの音とリズムに関しては既に突出した存在なので、益々楽しみです。また佐藤春樹の演奏は、氏の面目躍如たるもので実に堂々としたものです。

このような共演者の中で演奏ができることは非常な幸せですが、日ごろの鍛錬と内にも外にも妥協を排除した態度を取ることが必要です。僕のような凡才は、そのことでしか音楽家としての自分を保持する術を知らないからです。