今日は一風変わったコンサートでした。練馬区谷原にある浄土真宗本願寺派寶華山敬覚寺での演奏です。ご住職がジャズを愛好されており、檀家さん方を集め東北の復興支援チャリティーライブを企画されました。

バンドは、ケン岡本とファンキージャズ・オールスターズです。当初は一般の方々が知っている曲をということでしたが、僕の経験ではこのことはコンサートの成否に余り関係が無いのです。音楽とは単に美しい旋律を楽しむだけのものでは無く、その演奏されるプロセスや演奏家の音楽を通して表現する情緒を感じるものであるからです。最も愚かな選曲は、観客に迎合して簡単な曲を選び過ぎ、バンドのスイングを拘束して停止させます。ひとつの仕事が次に続くかどうかなど、音楽家にとって取るに足らぬことであり、己が面白くない演奏をして何がジャズだと言えるでしょうか。
その意味において、最初は戸惑っていた檀家さん方も、最後は非常に楽しんで頂けたようです。またお寺のご住職とその奥様はさすがに人間的に深みのある方で、仏に使える方々はかくあるものか、と感心した次第です。