今年の夏に続き、二度目のアケタの店。
ここのところは滅多に共演できない先輩方との再開は嬉しい限りです。
紙上理(しがみ・ただし)さんのセクステットでした。

ベースの紙上さんは、20代半ばの頃にお世話になりました。
長期の旅にも同行し、様々な音楽的経験をしました。
ピアノの元岡さんはNYで初めて知り合い、以降40代の僕のカルテットで長らくサポートしてくれました。
日本各地のツアーに加え韓国などでも一緒に演奏し、多くのステージをこなしながら貴重な助言を与えてくれました。
そして今日は数十年ぶりに、ベースの吉野弘志さんが聴きに来てくれました。
氏は芸大在学中に、ジャズの右も左も分からず単純にいきがって夢を見ていた使いものにならないアルトを吹く若造に、多くの厳しさを教えてくれた数少ない大学の先輩です。
過去の辛辣な示唆も、久し振りにお会いすると懐かしさと感謝の気持ちで一杯になります。

歳を重ねて得をすることの一つに、このような方々との邂逅を心から己の人生の上で幸運なことであったと素直に感じられることがあるのかも知れません。
演奏はもちろん楽しかったのですが、急な冬空の中にも心の中は暖かくなりました。