日本学校ジャズ教育協会(JAJE)の主催による児童と生徒によるコンサートが、五反田ゆうぽうと大ホールにて開催されました。僕はその講評者として2日間で32団体の演奏を講評しました。
この団体は純粋に教育的な立場から手弁当で活動する団体です。ですから色んな企業の思惑や社会に対する名誉欲などの大人の利権が介入していない、実に清々しい団体であると断言できます。
そのために演奏に順位や、または明確な序列を付けることを避けて子供たちの音楽への憧憬を尊重しているのです。ですからコンクールとは呼ばずにフェスティバルであり、僕らは審査員では無く講評者であるわけです。もちろん行うことは同じですが、このことを理解しないプロのミュージシャンには効果的な楔となるでしょう。
今回はアレンジャーの内堀勝さん、僕のカルテットでも共演している、椎名豊に広瀬潤次。そのような心配はありませんね。
様々な形態のバンドが出場しましたが、その全てのバンドに好感が持てました。やはり子供たちの(高校生は子供では無いのですが、僕から見たら子供です)演奏には邪念というものとは無縁。上手なバンドも発展途上のバンドも押し並べて美しい。そのバンドひとつひとつに暖かい言葉を掛けずにはおれません。
日本の音楽的レベルの向上は、すなわち文化的な水準、つまり我が国の民度に直結します。その意味で日本の未来に明るさを見られたことは、新年早々に感謝すべきことです。この団体の益々の発展を願い、大変なご苦労をされた運営委員の皆さまに敬服いたします。また各学校の熱心な指導者たる先生方とも、機会があれば、じっくりとお話ししながら労をねぎらいたいと思います。