藍色の研究

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2015年 02月 13日

T.N.Swing Jazz

今ジャズファンの間で話題になっている秋葉原駅近くの岩本町に開店した「T.N.Swing Jazz」。
この店は毎日フルバンドでのライブを繰り広げる、現在の日本のジャズの状況には考えられない豪華な空間です。
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珍しく純粋に観客として行ってきました。もちろん楽器も持たずに手ぶらです。
ニューヨークのジャズクラブのインテリアを想わせる店内は、ビッグバンドの音響なども考えられていて適度な残響音で、生音で充分に楽しめる環境にあります。今日は客ですから、無責任にギムレットを片手にジャズを楽しんでいれば良い訳です。そして本当に楽しめました。
これまでも数多くのアメリカやヨーロッパのビッグバンドを聴きに行きましたが、日本人のバンド、それもこれまで何度も共演してきたバンド仲間の集合された音楽を聴くのは初めてです。共演バンドのリハーサルを客席で聴くことはあっても、お金を払って聴きに行くのは初めてです。

レパートリは比較的古いアレンジが大半を占めていました。ビバップ以前のビッグバンドの形態で、ブルースフィーリングよりもハリウッド的ビッグバンドとも言えるでしょうか。その中でも定番のカウント・ベイシー・ビッグバンドのナンバーは特に楽しめました。僕としても、曲によっては本番で100回ぐらい吹いている曲もあります。

客観と主観とは厳密に考えれば区別できるものではないのですが、客席で聴くことは客観性を多分に経験することになります。能楽で「離見の見」というものがあり、これは観世流の秘儀ですが、客観と主観の世界に同時に存在しうる態度はミュージシャンに必要でしょう。それができれば反面教師などと了見の狭いことは考えずに、自分にできない何か重要な音楽的なアイディアが飛び込んでも来る訳で、4杯のカクテルの力だけではなく素直に音楽が楽しめる訳です。
しかしながらステージの方々はやりにくかったでしょう。僕も逆の立場なら同業者の視線を意識してしまうでしょうが、ニューヨークなどでは日常です。ミュージシャンは仲間の演奏を実に良くチェックします。その意味でも幸せな気分になるライブでした。
残念ながら僕はどのビッグバンドにも参加する気持ちはありません。理由は色々あるのですが、もう卒業を許されても良い時期であろうと考えます。もし長年お世話になった卒寿を迎えるリーダーのワンナイトスタンドがあるなら、その時だけは楽器を持って駆けつけようと思っています。

by sunrisek6 | 2015-02-13 10:13 | ライブ


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