東京Jazz2015を観に行きました。
お目当てはハービー・ハンコックとウェイン・ショータのデュオ。
音楽の本質を抽象した演奏は、多くの形骸化された今日のジャズに警鐘を鳴らすものでしょう。

ただし長大な曲は一般のジャズファンの理解を越えるものではありました。けれどそれで良いのです。何か新しい事を咀嚼して脳に取り込むことは、人間に与えられた一番の楽しみ。わかる範囲でしか認識できない人々は、我々の最大の権利を放棄するものでしょう。
また初めて聴いたエリ・デジブリ(ts)のカルテットは彼らの祖国イスラエルの独特の音楽観をブルースに投影した秀逸なもの。リーダーのデジブリのテナーには拍手を惜しみません。
共演と言う形で無理やり邦人演奏家を捻じ込むのは、まったくもって音楽的な効果が無い事を付け加えたい。
主催者は観客の動員が成否の分かれ目かもしれないが、長い目で見れば必ずしも良い結果を導くとはとても思えない。良質の観客の意志を尊重すべし。これは現場にいなければ会場の空気が分からない。