大森明カルテットへサイドマンとしての参加。
町田のnica'sでした。
僕が20代前半の頃、チャーズ・ミンガスの新しいアルバムにリー・コニッツなどの多くのサックスの名手と共にAkira Omariのクレジットを発見しました。名前から見れば完全に日系人で、批評家もこれは一体誰だろう?という話で喧々諤々。その後に国立音大からバークリー音楽院、そしてニューヨークで演奏活動をする日本人、大森明ということが判明しました。
僕は幸運なことに1982年に渡米して一週間後に友人のジャムセッション・パーティーがあり、大森さんにお会いできました。憧れの大先達は実に気さくな方で、それは未だにお変わりありません。
この日は場所はもちろん音楽的にもアウェイな環境ですが、演奏中に共演者との心的な会話を試み、殆どの場合それは成功したように思います。
ジャズが即興性のある音楽である以上、その瞬間に作り上げるフレーズは全員のサウンドが入り混じります。その中でのメロディーは音楽の一部分に過ぎず、ソロの良否だけで現在進行中のジャズを楽しむことはできません。自分のソロのみに集中することは、数人の会話の席において、自分の意見ばかり(それも10年一日の如く)喋りつづけることと何ら差異はないのでしょう。
僕の場合は、公私ともども話の内容が先鋭的で突飛が無いものと受け取られがちですが、相手の意見も尊重しているつもりではあります。レトリックは唾棄すべきやり方で、ディアレクティックこそジャズの本筋だと思います。
色々な意味で自分のためになるセッションでした。
次回はもっと修正して臨みたいと思います。
太田寛二(p)、佐々木悌二(b)、村田賢一郎(ds)
そして高橋徹(ds)がゲストとして溌剌としたドラミングを披露しました。