藍色の研究

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2014年 02月 28日

シャバンヌ展

19世紀フランスを代表する壁画家として知られるピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-1898)は、フランスの主要建造物の記念碑的な壁画装飾を次々と手がけました。今日はbunkamura ザ・ミュージアムで彼の展覧会を鑑賞です。
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壁画作家の作品がなぜミュージアムに展示できるかと言えば、シャバンヌが壁画を作成するときに必ず絵画も描いていたからです。アルカディア(桃源郷)をテーマにした作品が、彼の作品の中核を担っています。
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非常に素晴らしい構図と色は正しく一級の芸術作品と呼ぶに値するものですが、シャバンヌの作品は大理石の上に描かれた実際の場所、フランスの市庁舎や美術館でこそ、その真価が理解できるものだという印象も持ちました。
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しかしながら作品によっては未来を大きく先取りし、来る印象主義の作家たちに大きな影響を与えたことは疑う余地がありません。実際に最近観に行ったスーラなども、シャバンヌに影響された、と解説にありました。そして人間を慈しむる優しい眼差しは多くの作品によって語られています。この胸像はロダンの手によるシャバンヌで、その人柄が偲ばれるものでした。

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今日の展覧会にお招き頂いた上田宏子氏。上田さんは服飾関係の会社を持っておられて、その関係でヨーロッパ(特にフランスとイタリア)に足繁く通われ、多くの本場のデザイナーの作品を日本に紹介されました。美術作品に止まらず音楽や文化にも造詣の深い方です。、そして日本の政治や歴史に関しても鋭い洞察力をお持ちで、戦争でご兄弟をお亡くしになられた世代でありながら自虐史観に囚われた間違えた考え方をご指摘されます。このブログでもその素晴らしい文章を掲載させて頂きました。ご本人は船場のお生まれで、三女でいらっしゃるので本物の「こいさん」です。谷崎の「細雪」をお読みになればその背景がお分かりになるでしょう。たくさんのなお話を伺い、有意義な時間を過ごすことができました。

by sunrisek6 | 2014-02-28 22:27 | 社会
2014年 02月 23日

銀座・シグナス

今日はドラマーのケン岡本さんのバンドだったのですが、リーダーの岡本さんの急病のためにドラムスをエキストラにして演奏しました。そのためいつものレパートリーではなく、新しい曲をラインナップに入れました。
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新しいとは言っても元来このバンドはファンキージャズ(実に古い言い方ですが、50年代後半から60年代にかけて黒人のブルースフィールやゴスペルなどのムードを取り入れたジャズのスタイルで、最も世界中に受け入れられたジャズの形です)限定の選曲ですから、「Jubilation」「Low Life」「Blue Minor」「Cool Strutin'」など。これらは昔からさんざん聴いたナンバーですから、実に懐かしい気持ちになりました。名曲の数々ですが、こんな曲ばかりやっていると演奏が行き詰まるかもしれません。愉しいだけではジャズのブルースフィーリングとスイングを研ぎ澄まし続けることができないからです。
この日はゲストシンガーがいました。おかのひろみです
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二足のわらじを履いているジャズシンガーは日本に数百人存在し、僕としては辛口の批評をせねばなりません。しかし彼女はホスピスで重労働をこなす看護師でありながら、早朝から起きてジャズの勉強をしている本物のミュージシャンです。若いので経験こそ浅いのですが、そのハードな生活からブルース・フィーリングに凄味がでてきました。真剣に自分のスタイルを持たないミュージシャンは、これから彼女に太刀打ちできなくなるでしょう。若手のジャズシンガーを褒めることは滅多にありませんが、彼女は期待できます。

by sunrisek6 | 2014-02-23 23:39 | ライブ
2014年 02月 22日

赤羽紀武氏・喜寿のお祝い

多くのジャズミュージシャンと進行があり、またミュージシャンの危機的な身体の不具合を救っていらっしゃる外科の執刀医でもある赤羽紀武先生の喜寿のお祝いが、日比谷東京会館で行われました。
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池貝トリオの演奏する中に、メインゲストとして北村英治氏。そしてサプライズゲストとして前田憲男氏も登場し、大いに会場を沸かせました。
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北村さんと前田さんとの共演は、緊張の中にも愉しい時間でした。
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僕はお祝いの演奏としてコール・ポーターの「I Love You」を選びました。前田さんのピアノでソロをやるのは初めての経験でしたが、非常におおらかなコンピングでゆったりとした気持ちで演奏できたように思います。
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終盤には赤羽紀武先生のヴォーカルを皆でサポートしました。最初はキーがEbだったのですが、前田さんの提案で半音下げ。「All The Way」は良く知らない曲なので、Dメイジャーはかなりの難易度でした。
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松竹の社長を始め、各界の名士の方々の集う会にお招きいただき有難く思います。

by sunrisek6 | 2014-02-22 10:45 | コンサート
2014年 02月 17日

中部航空音楽隊

 12日は北村英治さんとの共演が銀座スイングでありました。ますます北村さんの音は熟成されて行かれるようで、85歳というお年を考えるにつけ、驚異的としか言えません。最近はリズムにもゆったりと乗られて演奏することが多く、それが効果的に聴こえます。僕もそのような演奏に感化されたせいかもしれませんが、いつもよりも音の伸びがあったように感じました。

 さて翌日は浜松へ旅立ちました。航空自衛隊音楽隊との録音のためです。航空自衛隊音楽隊は我が国に5つあります。ここ浜松にあるのは中部航空音楽隊で、航空音楽隊は浜松基地から始まったそうです。3日間で17曲の録音でした。曲は広くジャズを世の中に広める目的で、吹奏楽団編成のジャズアレンジメントです。浜松市は全国で最も音楽教育に力を入れているところで、財団法人アクトシティ音楽院が原信夫氏に音楽監督を委嘱しています。そのため元シャープス&フラッツのメンバー5人でリードやソロパートを受け持つことになった次第です。数原晋、マイク・プライス(tp)、片岡雄三(tb)、稲垣貴庸(ds)、そして僕です。今回はアルト・サックス、ソプラノ・サックス、テナー・サックス、クラリネットを担当することになりました。
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 最近の航空音楽隊は音楽大学の卒業生が多く、その演奏の力量は驚くほどです。演奏が良いのは音楽的技量があるからだけではなく、音楽はその人の内面が出てきます。隊員の皆さんは明るく謙虚で、所作も毅然としていて清々しいのです。しかし堅物ではなく冗談を言い合って屈託なく笑いますが、全く嫌味がありません。武士道を基盤に置く日本人の道徳観は、彼らの中に多く発見することができるのです。この3日間の共演は実に素晴らしい経験で、彼らと共に音楽を作り録音できたことを誇りに思います。もちろん17曲の録音は大変で、特に専門外のクラリネットソロに関しては身の縮む思いでした。というのもクラリネットの技量は音楽隊の奏者の方が格段に上で、しかも音色は美しく上品だからです。そtれでもジャズ的にということを考慮すると僕が吹かねばならないわけで、ピッチが悪かったりリードミスがでたり、フィンガリングが転んだりと散々でしたがなんとか終了しました。
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 右が隊長の佐藤3佐、非常に上品で優しいお顔をされており演奏の緊張をほぐしてくださいました。
左はコンサートマスターの渡部1曹、同じアルトサックス担当と言うこともあり、すぐに意気投合できました。色々なことで大変にお世話になりましたし、演奏の腕もしっかりされています。
そして吹奏楽の世界では高い評価を受けています。こちらをご覧ください。
https://www.shobi.ac.jp/wind/pro/watanabe.html
そのような訳で夜は自発的に懇親会をやることになりました。サキソフォン・セクション全員とクラリネット2名、トロンボーン1名が参加、浜松名産のものにこだわるお店で3時間の飲み放題。音楽から政治の話にまでおよび、あっと言う間に楽しい時間は過ぎて行きます。
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 航空自衛隊はJASDF、(Japan Air Self-Defense Force)ですが、もういい加減にこの呼称は終わらせたいところです。しかしながらSelf defenseを取るとJAFになってしまう訳で、これは少し困ります。まあ問題は全くそんなところに無いことはわかっていますが。
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 お世辞かもしれませんが、僕は自衛隊の作業服(武器を装備すれば軍服になります)を着るとすごく自然に隊員に溶け込むそうです。お土産に貰えるかと思ったら、当たり前ですがそんな訳にはいきません。
 このところ連日オリンピックでの日本人選手の活躍を見て、その彼らの立派な態度をみて日本の若者に(僕から見たらみんな若者です)日本の明るい将来を期待できる気がしているのは僕だけではないはずです。そして中部航空音楽隊の皆さんを見ていても、それと同じことを感じました。
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 最後の日は演奏班長の朽方1尉とゆっくり話ができました。昔の言い方をすれば大尉にあたりますが、若いのに実に良くできた人物です。多くの有益な話を聞きましたが中でも次の話には感心しました。行軍の際、上官は喉が渇いても水筒の水を飲まないそうです。なぜなら部下に水が必要になった時に自分の分を分け与えるためだからです。同じ理由で弁当が出ても、幹部は最後に食べるそうです。もし間違えがあって数が足らなくなったときのことを想定しているのです。多くのことを感じ、多くを学んだ3日間のなんと充実していたことでしょう。今後も自衛隊には何らかの形で協力したいと説に願わずにはいられません。

by sunrisek6 | 2014-02-17 18:52 | 録音
2014年 02月 11日

栗原ドリームアンバサダー

復興支援の一環として何度も演奏に訪れた宮城県栗原市より、「栗原ドリームアンバサダー」の任を委嘱され謹んでお受けいたしました。震災で被害を受けた栗原市の復興と、市の発展に寄与することとなります。

佐藤勇市長から四谷ニューオータニで交付式となりました。
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栗原市長は震災間もなくの栗原復興祭を開催し、露天とパイプ椅子の並ぶ野外のお祭りにはっぴ姿で登場され陣頭指揮にあたられました。その真摯な姿が思い出され、この度に委嘱に感謝している次第です。
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また栗原市出身のシンガー・ソングライター、みなみらんぼう氏も共に栗原ドリームアンバサダーに公布されました。非常に謙虚な紳士で芸能人的な感じが希薄なことに驚きましたが、それが氏の知性的な面を際立たせていました。この奥ゆかしさは、僕も大いに学ばねばならぬでしょう。

by sunrisek6 | 2014-02-11 10:09 | 復興支援
2014年 02月 09日

大宮・アコースティックハウス・ジャム

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恒例の若手ミュージシャン達とのセッションは大宮にあるクラブ、アコースティックハウス・ジャムでのステージです。毎回少しずつ進化しているトリオですが、今回はリズムの面で明らかな上達があったように感じました。前回はトップとボトムがどちらかに偏りがちで、平面的に合わせるような印象があったのですが、今回は随分と立体的なリズムの表現に近づいて着たようです。また恣意的なバッキングも修正されてきましたが、あまり大人しくても音楽にならないのがジャズのジャズたる所以ですから、この辺りのさじ加減は一生考えて行く課題の一つです。
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個人的にも反省する部分はあるのですが、このところ確実にひと山越えた感があります。今日は無事に演奏を終えて安心していますが、多分しばらくすれば新たな自分の欠落を発見することになるでしょう。それまで暫くは山腹に佇みこれまでの音楽を顧みながら、山々の景色を楽しみましょうか。

by sunrisek6 | 2014-02-09 17:56 | ライブ
2014年 02月 09日

草加・シュガーヒル

今日の草加シュガーヒルは、ピアノの名手である今泉正明とのデュオでした。さすがにベテランで、ジャズの言葉で話す部分で、僕としても演奏の展開が容易になるばかりではなく、リズムやハーモニーの点において不安な要素が少ないことがお互いにリラックスできる状態を生みます。
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観客の皆さまも楽しんでいただけたようで、演奏していてもその反応に大きく支えられました。数日前からフルートの発音に若干の発見があり、音のアタックに変化が見られました。発音は特に管楽器には大きな影響を与えますが、この技術がもっと安定すればフルートでの表現力にも多彩さが生まれるような気がします。引き続き練習と研究を続けねばなりません。
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by sunrisek6 | 2014-02-09 10:21 | ライブ
2014年 02月 03日

浜松・ジャズクリニック

 恒例の浜松のジャズクリニックです。何度もお伝えしましたが、今年度の最後のクリニックとなりました。一つの学校に対して3年間続けますので、今期で最後の学校もでてきます。浜松の音楽教育に対する熱意は驚くべき部分があり、順番待ちの学校が後を絶たないのです。
 さて今回も二日間で4か所、合わせて7校のクリニックをしましたが、対象は殆どが中高生です。当たり前ですが毎年彼らとの年齢差は大きくなります。ところが不思議なことですが、その年代の垣根は毎年のように低くなっていく、つまり近づいて行くような感覚があるのです。もしかしたら若い頃よりも経験や知識が増えるにつれて、世代間のギャップは少なくなるのかもしれません。これは高齢化社会、というより世界のどの国も嘗て経験し得ない超高齢化社会を迎える我が国においては朗報ではないでしょうか。真に成熟した人間は、多分若い世代からうとまれないのかもしれません。
一日目は中部中学校と気賀高校。
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この二校はこれまでジャズをやったことが無く、完全に白紙の状態から始めました。特に中学生には少なからず負担も大きかったと思いますが、少ない人数に関わらず良く頑張りました。気賀高校も3年生が引退し、決して有利な条件ではないのですが、それぞれが前向きに音楽のことについて考えている姿勢が印象的でした。
二日目は篠原中学校と開成中学校・水窪中学校・浜北西高校合同校です。
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篠原中学校の生徒たちは、非常に柔軟に音楽に対処する素養を持っています。そして屈託なくジャズを楽しんでいるように見えますが、はっきりとした規範も存在しているところは指導されている先生の人徳なのでしょう。ひとつのことを教えると、あっという間に変化する柔軟な頭脳は若さの特権とは言え、彼らの優れた音楽性を感じます。
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開成中学校・水窪中学校・浜北西高校は全国大会にも出場した加藤先生の率いるバンドで、非常に完成度の高い演奏をします。今日はロックビートの話をしたのですが、理解の速さに驚きます。この辺りは実に見習いたいものですね。
この合同校は今期で最後だったのですが、帰り際には生徒全員で僕たちにアーチを作ってくれました。
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by sunrisek6 | 2014-02-03 14:58 | クリニック・レッスン
2014年 02月 03日

新宿・サムデイ

高瀬龍一セクステット、新宿サムデイでの久々のステージでした。
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1stステージはマイルスの「Kind Of Blue」の全曲演奏です。この名盤の全曲をアルバム収録順に全て演奏して行くという趣向で、こんなことをやるバンドは少なくとも日本にはないでしょう。これは高瀬龍一のマイルスに対する深い敬愛の情から来るものですが、個人的にもこのアルバムはモード手法をジャズに取り入れたという点において特筆すべきアルバムだと認識していますから、これらの名曲を即興演奏の素材として改めて取り組むことは自己の音楽の確認と再発見に繋がります。この日の演奏はドラマーが藤井学に変わったことで、全体的にややアグレッシブな方向に傾き、これは僕も賛同するところです。次回もこんな感じでステージができれば嬉しいですね。

by sunrisek6 | 2014-02-03 10:02 | ライブ