藍色の研究

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2015年 01月 28日

松山・モンク

松山市はこれまでの人生の中でも、最も美しい思い出のある街です。決して大きくはありませんが、松山城の天守閣を中心に北に文教地区、南に商業地区、そして東には道後温泉、西には市民の憩いの広大な公園と松山空港があります。気候も穏やかで、なによりも小説「坂の上の雲」の舞台となり主人公の3人は松山に生まれた実在の偉人達です。

この松山市に旧友が医師として開業しています。馬場俊一氏は33年前にドラマーとして、三軒茶屋のライブハウスでコンサートをしました。数回のリハーサルと一回の本番だけなのになぜ覚えているかといえば、彼が東大に在学しており、赤門から構内に入り学部内でリハーサルをやった記憶が鮮明だからです。なかなか東大の構内には縁がありませんから。

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会場は松山の老舗「MONK」、東京からも多くの優れたミュージシャンが訪れています。渡辺貞夫氏も7回ほどいらしており、それだけ音楽家にとっても価値の高い店だと言う証拠でしょう。

馬場氏を中心としたトリオは、全て松山在住のミュージシャンです。ピアノの栗田敬子さんは確かなピアニストとしての技術の上に立った、正統派のジャズミュージシャン。ほぼ全曲を譜面無しで演奏されていました。ベースの高橋直樹君は僕にとって縁の深い福山市の出身。若いながら(奇しくも33歳、僕が馬場氏と会った年に誕生)なかなかのビートを持っていて、ソロにも面白いアイディアが聴かれます。馬場氏のドラムは僕より少し年上と言う年齢を感じさせない、多少やんちゃでパワフルなものでした。

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時間の関係でリハーサルなしで臨んだステージではありましたが、馬場氏の集客能力で満員のお客様に支えられて、ジャズとしてステージを作ることができたことが嬉しいです。

終了後に馬場氏の奥様(やはり東大卒)と娘さんと記念写真。
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モンクのマスターの関家雅司氏。元はギタリストで音楽を愛するマスターです。お店のモンクの由来は、彼の曲が非常に面白いから、ということでした。モンクを愛することは、ジャズの本質を大事にすることでしょう。
強く再演を願います。またこのお店には赴くことになると思います。

by sunrisek6 | 2015-01-28 10:03 | ライブ
2015年 01月 27日

浜松のクリニック

今月は六日間も学生バンドとの交流がありました。異例のことです。しかし若い世代がジャズを引き継いでいる姿は文句なく嬉しいものです。僕にできることは、なるべくジャズという音楽を真っ直ぐに見て、ポピュリズムとしての大衆芸能であるとレッテルを貼られているジャズを、芸術として人間形成の大きな助けとなる本来のジャズの形を伝えることです。そのためには多少の軋轢など何も危惧するところではありません。

二日間に亘って五校4か所でのクリニック。一日目は中部中学と元城小学校の混成バンドです。3年目となるこの学校は今回で最終回。思えば最初はジャズに対して当惑していた生徒達は、見違えるほど成長しました。
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彼女達の可能性は無限なのです。指導する講師は肝に銘じねばならぬでしょう。

そして篠原中学校へ移動。この学校はもともと非常に元気が良い。
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今回は前田典男さんの新しい編曲を練習していました。チャイコフスキーのくるみ割り人形から「花のワルツ」。このアレンジメントは難しい。前田さんも普通の吹奏楽用の編曲には飽きてしまっているのでしょう。しかし中学生にとっては短期間でこの曲を演奏するのは大変ですね。後半部分は二拍3連音符の四つ取り(五つもありました)も出現し、プロでも戸惑うところ。

二日目は入野中学。この学校は吹奏楽部の人数が多くないために、最初からビッグバンド編成を目指しています。
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フルートやクラリネットからいきなりサキソフォンに転向を余儀なくされた子供たちは、当初は大きな戸惑いが見受けられました。しかしながら彼女達の柔軟な感性は数カ月でそれを受け入れ、変化しつつあります。今後も期待できます。

最後は浜松工業。この学校は吹奏楽の名門のひとつです。さすがに高校生になると音楽的な水準も上がり、様々な表現が可能です。今回は特にジャズのニュアンスについての解説のために、楽器を吹きながら講義しました。
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少し疲れが出て、文章を上手くまとめられません。今はジャン・ジャック・ルソーの「人間不平等起源説」を読み、前々から大きな興味があった「社会契約論」に取りかかりました。旅の間は小林秀雄の講演集のCD(全9枚)を聴きながら移動しています。今言えることは自分がいかに何も知らないか、ということに尽きます。自分は音楽家なのではありますが、多少ともまともな文が書けるように豹変したいと思います

豹変:過ちを認めて面目を一新すること。悪く変わることを言うのは誤用。

by sunrisek6 | 2015-01-27 21:09 | クリニック・レッスン
2015年 01月 21日

たかつきスクールジャズコンテスト

先週は五反田で東日本大会でしたが、今週末は大阪府高槻市で独自に行われるスクールジャズコンテストの審査員として赴きました。
第6回を迎えるこのコンテストは高槻まちづくり株式会社が主催しており、同団体は営利を伴わない高槻市の発展を希う若者を中心に組織されたものです。そのためにこのコンンテストも清涼感の溢れる、子供達への教育的配慮と愛情が感じられる清々しいものとなっています。
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どのバンドも聴いていて嬉しくなりました。子供たちがジャズを演奏することは、この魅力的な音楽が我が国で続いていくことを意味します。現在は益々若手ジャズニュージシャンにとって、容易ならざる音楽環境へと社会状況が推移してはいますが、子供たちの元気な舞台はジャズの未来にとって暗中の光明とも言えるかもしれません。

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最終的には金賞と銀賞を選出し、最優秀校には5月に行われるジャズフェスティバルの出演という副賞も与えられました。音楽に勝ち負けはないのですが、目標に向かって仲間と努力することは青春の特権です。若いころにできなくとも、一人ではできないことを集団で行える経験は絶対に必要です。そして集団をまとめることができるように、人は学んでいきます。コンテストの場合は序列を付けねばなりませんが、音楽的な理解がある審査員が真剣に考えて結果を発表すれば、それは音楽的な向上に繋がります。このような純粋な形での同コンテストの存続を強く望みます。
そして実に大変な会の運営を行った全てのボランティアスタッフの努力を労いたいと思います。

by sunrisek6 | 2015-01-21 09:28 | コンサート
2015年 01月 13日

第24回 スチューデントジャズフェスティバル

 日本学校ジャズ教育協会(JAJE)の主催による児童と生徒によるコンサートが、五反田ゆうぽうと大ホールにて開催されました。僕はその講評者として2日間で32団体の演奏を講評しました。

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 この団体は純粋に教育的な立場から手弁当で活動する団体です。ですから色んな企業の思惑や社会に対する名誉欲などの大人の利権が介入していない、実に清々しい団体であると断言できます。
そのために演奏に順位や、または明確な序列を付けることを避けて子供たちの音楽への憧憬を尊重しているのです。ですからコンクールとは呼ばずにフェスティバルであり、僕らは審査員では無く講評者であるわけです。もちろん行うことは同じですが、このことを理解しないプロのミュージシャンには効果的な楔となるでしょう。
今回はアレンジャーの内堀勝さん、僕のカルテットでも共演している、椎名豊に広瀬潤次。そのような心配はありませんね。

 様々な形態のバンドが出場しましたが、その全てのバンドに好感が持てました。やはり子供たちの(高校生は子供では無いのですが、僕から見たら子供です)演奏には邪念というものとは無縁。上手なバンドも発展途上のバンドも押し並べて美しい。そのバンドひとつひとつに暖かい言葉を掛けずにはおれません。
 日本の音楽的レベルの向上は、すなわち文化的な水準、つまり我が国の民度に直結します。その意味で日本の未来に明るさを見られたことは、新年早々に感謝すべきことです。この団体の益々の発展を願い、大変なご苦労をされた運営委員の皆さまに敬服いたします。また各学校の熱心な指導者たる先生方とも、機会があれば、じっくりとお話ししながら労をねぎらいたいと思います。

by sunrisek6 | 2015-01-13 12:46 | コンサート
2015年 01月 10日

映画鑑賞

自己のフェイスブックより転載
【映画鑑賞】
 久し振りの映画館での映画鑑賞。スウェーデンのジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの半生を映画化した「ストックホルムでワルツを」。
 この映画の主題は娘としてのモニカ、母としてのモニカ、そして一人のシングルマザーとしての女としてのモニカということになるであろう。特に父親との深い確執は最後の場面まで凄絶に続く。そして自由奔放すぎる彼女の生き様は、観客の彼女への感情移入を易々とは許さない。これはスェーデンの作品であり、監督のペール・フライは単なるサクセスストーリーに堕することなく物語がハッピーエンドに終わるバランスを考えたのではないか。簡単に断ずることはできないが、ベルイマンという映画史に残る監督を輩出したスウェーデンの映画界の伝統を受けつでいるとも感じた。映画としては良くできている。全編がほとんどスウェーデン語で進行するのも耳に心地よい。もちろん字幕が無ければ殆ど理解できないのだが、言語は音楽的なサウンドを伴う。はっきりと意味を解しなくとも、役者の表情と字幕でその趣旨は音楽のように伝わってくる。日本においても英語で歌われるジャズヴォーカルにファンが多いのはこの理由による。多くのファンは歌手が何を歌っているのか聴き取る語学力は無い。しかし、というよりだからこそ音楽的な歌唱によって本質が抽象されるのだ。スタンダードの歌詞は英語で書かれると高尚なように錯覚している音楽通も多いが、芸術的な「詩」の格付けとしてはあくまで歌謡曲の域を超えない。ビリー・ホリデイはスタンダードを歌う時に、メロディーと歌詞を第一に尊重することはなかった。時には歌詞さえも変えたことは有名な事実で、当時の富裕層の白人の甘ったるい歌詞を歌うことが彼女の思想に受け入れられなかったからである。
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 さてここでやっとこの作品のジャズ的な部分に入る。未だにジャズに憧憬を持つ身として、映画館の音響システムでコンサート会場やライブハウスでの映像は訳もなく胸が高まる。主演女優はエッダ・マグナソンで、ジャズとして評価すれば大いに不満が残るが確かに歌は上手い。しかし多くの管楽器を使った演奏は実に見事であり、たまたま彼女のデビューバンドのリーダーがアルトサックス奏者であったために、多くの曲で大きくアルトがフィーチャーされていたが、このサウンドが頗る魅力的だ。たぶん白人の演奏だが、50年代のコピーに終わることなく活き活きとした音色に艶めかしいビート感。自分としてはこれだけでも映画館に足を運んだ甲斐があったというものである。そして実名で登場する当時のミュージシャン。トミー・フラナガン・トリオの面々はベースのダグ・ワトキンスにドラムスのデンジル・ベスト。そしてこのギグを整えたのが数少ないジャズを理解した批評家レナード・フェザー。彼も往年の写真同様のファッションで登場する。そしてエラ・フィッツジェラルドから完膚なきまでに叩きのめされるシーン。「あなたは自分の声で歌っていない。ビリーは自分の心の声で歌ったのよ」このような脚本が書けること自体、ジャズの本質を多少とも齧ったからであろう。最後は念願のビル・エバンスとの共演。特徴のあるオールバックのヘアスタイルにダークのジャケットで登場したビルとの共演曲は「ワルツ・フォー・デイビー」であった。邦題はここから取ったのだろうが、安直な感じは否めない。
 大きな期待をすれば失望するかもしれないが、ジャズを愛する人間には観る価値がある。新宿武蔵野館、ヒューマン トラストシネマ有楽町などで上映中。111分。

by sunrisek6 | 2015-01-10 21:21 | 文化芸術
2015年 01月 07日

NHK FM

昨年に収録して放送されたNHK-FMセッション2014の『ジャズ・フォー 東北スペシャル・セッション』の再再放送が決まりました。
1/9(金) 午前10:00〜11:00 NHK FMです。
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数あるセッションの中から、このバンドを選んでくれた番組ディレクターに感謝します。メンバーは
大山日出男(AS)
岡淳(TS)
西藤ヒロノブ (GT)
椎名豊(P)
高瀬裕(B)
広瀬潤次(DS)
それぞれのミュージシャンが、自己の個性を損なうことなく音楽的共同作業に成功しています。
お聴きになって頂ければ幸いです。

by sunrisek6 | 2015-01-07 10:56 | コンサート
2015年 01月 02日

靖国参拝

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昨年は小林秀雄氏に大きく影響され、読書の幅が広がりました。プロパガンダ小説なども読み、哲学に関した本も読み始めました。現在はニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を読んでいます。
 音楽家に思想は必要であり、その考えの根幹に変化はありません。しかしながら音楽や芸術に携わる人間にイデオロギーは余計かもしれません。
 本年も皆様にとって、そして日本にとって良い年であることを祈っております。

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by sunrisek6 | 2015-01-02 00:21 | 社会