藍色の研究

sunrisek6.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

<   2015年 03月 ( 6 )   > この月の画像一覧


2015年 03月 29日

六本木・サテンドール

サテンドール・スペシャルセッションが再開されました。
今宵の演奏者は原友朋(tp)、鈴木央紹(ts)、今泉正明(p)、納浩一(b)、広瀬潤次(ds)という、いずれも劣らぬ自分に確固たるスタイルを持った音楽家達です。
b0094826_10323759.jpg

僕はリーダーではないのですが、選曲とアレンジメントおよびMCによる進行を任されました。今までは荷が重かったのですが、最近は少し楽になってきました。責任を取るべきところと、考えなくても良いところを心の中で分別できるようになったせかもしれません。
オーナーの井上氏は、良い音楽を廉価で提供するというお考え。チャージはこれまでの半額となり、久々に満員のサテンドールは活気に満ちたものとなりました。それに応えて演奏も自由と統制の両面を表現することができたようです。

来週4月3日にも、サテンドール・スペシャルセッションを任されています。
次回はテナーサックスの宝である山口真文氏を迎え、ドラムスには奥平真吾。ピアノは盟友である椎名豊。
そこにトロンボーンの佐藤春樹、ベースの高瀬裕が加わります。
曲目は佐藤春樹氏の書き下ろしアレンジメント、そして僕も新編曲を書くのに忙殺されています。「星影のステラ」「Watermelon Man」の新しい解釈は完成しました。ジャズらしくスイングすることを忘れず、そして新しい音作りを模索します。

by sunrisek6 | 2015-03-29 11:25 | ライブ
2015年 03月 20日

草加・シュガーヒル

今日の共演者はデュオとしては初めての竹内亜里紗さん。草加シュガーヒルでした。
彼女は1950年代の当時の日本において衝撃的に上陸したモダンジャズに対する日本人の反応をそのまま反映し、たいわゆる日本における調性音楽的な最後のジャズを表現するピアニストの一人です。
b0094826_935580.jpg

ともすればこのスタイルは演奏家本人にとって危険な要因にもなりかねない。それはこの時代のジャズはファンの獲得数を考えても、またポップ的な要素も取り入れているのに関わらずジャズがジャズである所以を失わなかった音楽であり、その意味において頂点を極めたものとも言えるからである。その後にジョン・コルトレーンを代表する新しい音楽的な波が押し寄せてくるが、当時の左翼革命の風潮は過激ともいえる学生運動へと向かい、コルトレーンの精神が浅薄に左翼思想と結びついてしまったことは甚だ残念である。
話がそれたが、ジャズを演奏するものが過去への憧憬を演奏や人生の眼目としてはならない。過去とは実在では無く、実在は現在しかないのは周知のとおりである。過去はその時代の人々の心持を顧慮することにより、現在となる。過去に戻りたいなどと考えていては、現在を生きる自分が不幸になるだけであり、そのような音楽はやがて自分をも傷つけて行くだろう。
難しい事を書きましたが、竹内亜里紗はここのところを実に上手く心の中で整理してピアノを弾いています。共演していると、その音だけで意志のやり取りができます。今日は最後まで非常に気持ち良く、そして楽しく演奏することができました。再演を楽しみにしています。

ブレスによる音の変化について、何か新しいイメージが膨らみ始めています。春の予感と共に、この感覚も固定観念の雪解けであることを期待しています。

by sunrisek6 | 2015-03-20 09:55 | ライブ
2015年 03月 19日

「ジャズに初挑戦!Part 2」

古畑奈和[SKE48/AKB48]の 目指せ! サックス次世代エース②「ジャズに初挑戦!Part 2」というタイトルでの二回目のレッスンが公開されています。
b0094826_10183693.png

前回も感じたのですが、古畑さんの音楽的な勘の良さと表現に対する真摯な姿勢には感心させられます。今回も1時間強の時間の中での進歩が見受けられ、この動画は色んな意味で参考になると思います。また既刊の著作で披露した、スイングとバスケットボールの物理的な共通点を実践しています。

http://rittor-music.jp/saxbrass/magazine/furuhata/9799

しかしながら実に残念なお知らせがあります。このほど「サックス・マガジン」は休刊が決定してしまいました。我が国で唯一と言っても過言ではない正当な音楽誌が休刊とは、実に遺憾に感じます。しかも部数は2倍近く伸び、出版不振の中で大健闘をしていた矢先のことです。
この音楽自体に立脚した雑誌は湯川雅宗(まさのり)編集長の努力と知性によって作られていたのですが、返す返すも残念な話です。社は電子版への移行を考えているようですが、皆さんもご承知のようにデジタルの文章は斜め読みされる傾向が強いのです。紙に書かれた文字を理解したく思うのは人間の本能です。
決定されてしまったことは仕方ありません。湯川編集長の功績を称え、今後の氏の活躍を大いに期待するものです。

by sunrisek6 | 2015-03-19 10:29 | クリニック・レッスン
2015年 03月 14日

池袋・インデペンデンス

今日のカルテットは椎名豊(p)以外はレギュラーではありませんが、これまで多くのセッションを一緒にやってきたミュージシャンとの演奏でした。生沼邦夫のベース、村上寛のドラムス。
彼ら先鋭的に音楽に対峙しているミュージシャンには、長年の演奏の滓がありません。若いころの努力を食いつくしてしまえば、演奏も過去の残滓に堕ちてしまいます。村上氏のドラムスは、暖かく、そして先鋭的な攻撃力があります。暖かさは人間の深さと知性であり、先鋭的な攻撃力とは若さと情熱です。僕は村上氏ならどのように考えるか、ということを音楽的尺度とすることさえあるのです。
そして今日は村上氏の誕生日でした。ホワイトデーと重なったことに関して彼は「だってそんなもの、俺が生れた時は無かったんだ。」とおっしゃっていましたが、それはその通りでしょう。
b0094826_9264167.jpg


生沼邦夫は最後までピアノのドラムスを膠のようにまとめることに尽力し、曲を重ねるごとにその接着力を強めて行きました。お陰で明瞭な足がかりを見ることができました。
長く共演している椎名豊は、レギュラーメンバーで無い時にもその演奏の水準の高さを示します。一歩引いてアンサンブルを考慮しながら、あれほど正確な即興性の高い旋律を引き続けることはなかなかできることではありますまい。
b0094826_9322718.jpg

耳の良い人からサキソフォンの音の変化を指摘されました。これは実に嬉しいことで、今後も精進します。自分の演奏は音色の向上により利する部分から考えれば、更に自然で的確な表現を伴わねばならないでしょう。まだやるべきことは多くあります。

by sunrisek6 | 2015-03-14 09:37 | ライブ
2015年 03月 13日

白楽・ビッチェズブリュー

元アサヒグラフなどのカメラマンで、月刊『ジャズ』の元編集長・杉田誠一氏がオーナーを務める白楽駅近くの「ビッチェズ・ブリュー」。このネーミングはマイルス・デイヴィスの同名のアルバムタイトルに因んでいます。ロックビートを前面に押し出し、集団即興演奏的な新しい景観を観たジャズのターニングポイント。このことが良かったか悪かったかは本質ではなく、ひとつの実在するフィクションと捉えるべきでしょう。
さてライブの内容は非常にオーソドックスなもので、ヴォーカルの西村知恵とのデュオでした。
b0094826_8544820.jpg

彼女はアイドルである某歌手を聴きこみ、そのヴィブラートの速度まで克明にコピーをしたそうです。非常に賢明なことでしょう。ジャズも多くの芸と同じく、最初は模倣から始まるのです。最初から自己流でやるのは、百年に一度の天才では無かったとすれば、人間的怠慢としか言うことがありません。多くのスタイルを消化して、自分の中で熟成や再構成があり、自己のスタイルらしきものが出来上がります。そして前を見据えていなければ、あっと言う間に輝きを失い腐敗臭さえ漂い、それはもうスタイルの残滓でしかなくなります。この唾棄すべき状態に陥って、我と我が身の退廃に気付かないミュージシャンの多い事は、自分への大きな戒めとなり得ます。
彼女はア・カペラでも歌える力を持っていますから、サキソフォンだけの伴奏でも音楽は成立しました。しかしながらサックスはこのような形での伴奏楽器では無いために、2セットをテーマ~ソロ~テーマと吹き続けるのは心肺的な限界もあり、一部をピアノ伴奏としました。
b0094826_975542.jpg

僕はピアノを始めたのは高校3年生の春からです。音大受験のために止むなくレッスンに通いましたが、自宅にピアノがないため、早朝と夜に高校の音楽室のピアノで練習しました。子供のバイエルから、一挙にバッハインベンションという無謀なやり方です。ですから人前で弾くのは心苦しいのですが、フルートも同じ状態で演奏してきたわけですから、何事も石を蹴らなければ前には進めません。決して褒められた演奏には程遠いものの、新しい景色も見えてきてこれはこれで勉強になりました。

by sunrisek6 | 2015-03-13 09:15 | ライブ
2015年 03月 11日

新宿・サムデイ

サムデイでのカルテットも3回目となり、やはりワンホーンが自分が音楽に対峙する頗る自然な形であることを改めて認識しました。そして昨年末からの奏法への加筆修正を明瞭に表現する心的な余裕も出てきました。こうなると人間は欲深いもので、なるたけ長く健康で吹き続けられたらと思います。
b0094826_944138.jpg

今宵のラインナップはオリジナルとオリジナルアレンジが中心で、全体の6割を占めました。共演のトリオは僕の考えている方向性を先見的に察し、音として実在に至らせます。各々のソロも高い水準を示すもので、傍で聴いていてる時間も恰も自分のソロが継続しているような錯覚に陥ることさえありました。
また最近の友人であるヴォーカルの豊田千加さんも遊びに来てくれて、一曲披露してくれました。
b0094826_9123981.jpg

問題は早いテンポのものにあります。何とかせねばならないでしょうが、これは技術の部分で音楽の魂の問題ではありません。それでも改善すべき手を打つ必要はあります。
(大山日出男カルテット、椎名豊ピアノ、本川悠平ベース、広瀬潤次ドラムス)

by sunrisek6 | 2015-03-11 09:19 | ライブ