藍色の研究

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2016年 05月 07日

高槻ジャズストリート

今年も高槻ジャズストリートに出演しました。
高槻市は大阪と京都の中間にある都市です。
今回で18回を迎えるこのジャズ・フェスティバルは、ボランティア・スタッフによる営利を目的としない理想的な運営の全国的な先駆けとなったものです。

今回も昨年同様に椎名豊をリーダーとするバンドで演奏しました。今年は本川悠平(b)と広瀬潤次(ds)に加え、片岡雄三(tb)が参加してクインテットの編成です。
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全曲が椎名豊のオリジナルだったために、個人的には気の抜けないステージとなりましたが、このことが幸いしてか、大ホール、中ホールとも大盛況のうちに終了。

深夜のジャムセッションにおいては、地元のミュージシャンとの交流を含め、朝の3時まで演奏しました。
毎年恒例のジャズの関する講義では、まったく楽器を吹かずに45分間話をしました。生まれてこの方、これほど一人で長く喋ったことはありません。ほとんど筋書きを考えずに話をしましたが、これはジャズのソロと同じく即興性を重んじてみたかったからです。まあ、喋りの専門家ではありませんから大した話はできません。

最後の夜に、最大の感謝をしているフェスティバルの顔、(高槻の顔といっても過言ではないでしょう)北川潤一郎氏と二人でゆっくり話せたことが有り難い。
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17年前に人気のない高槻市のゴールデン・ウィークは、彼の発案で数十万人の人々で溢れる街へと変貌したのです。
このフェスティバルがずっと続くことを希っています。

# by sunrisek6 | 2016-05-07 09:03 | コンサート
2016年 04月 26日

ジャズ史に残る名盤トリビュート編

第二弾が出版されました。
演奏内容は悪くないと思うのですが、少しサックスの音が鋭く加工されています。まあ僕の責任ですが、それでも興味のある方はどうぞお聴きください。
詳細はリットー・ミュージックのページから引用いたします。
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ジャズ・サックス吹きなら誰でも耳にしたことのあるアルト奏者の名盤/名演。オリジナルの雰囲気をそのままに、アルト・サックスとピアノのデュオ編成で楽しめる楽譜集が登場しました。ジャズ・ジャイアンツの言葉とも言える各奏者のオリジナル・フレーズを巧みに取り入れたアドリブ部分も大きな見どころです。本書のピアノ伴奏譜を使ってピアニストと2人で演奏するも良し、ピアノ伴奏が収録されたカラオケCDを使って1人で演奏するも良し、お好みの方法でお使いください。演奏は前作「ジャズ・スタンダード編」に引き続き大山日出男(as)と椎名豊(p)の2人が担当。国内最高峰のプレイヤーによる息のあった演奏は、鑑賞や勉強の対象としてもピッタリです。

【収録曲】
◎ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
◎ラヴ・ウォクト・イン
◎イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
◎ザ・マン・アイ・ラヴ
◎レフト・アローン
◎ライク・サムワン・イン・ラヴ
◎スターダスト
◎ワーク・ソング
◎ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ
◎エンブレイサブル・ユー
◎グリーンスリー ヴス
◎クインテッセンス
◎ザ・マスカレード・イズ・オーヴァー
◎ドナ・リー
◎ナウズ・ザ・タイム
◎コンファメーション
◎マイ・フーリッシュ・ハート
◎ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー
◎ジャスト・フレンズ
◎ワルツ・フォー・デビイ

# by sunrisek6 | 2016-04-26 09:10 | 文化芸術
2016年 03月 28日

レコード鑑賞会

ホームレッスンの生徒さん方を集めて、上野陽一氏のオーディオルームでレコード鑑賞会をしました。
上野氏はパイオニアにお勤めのときからの知己で、ジャズライブへ足繁く通われジャズへの造詣も深い。長年の経験からお造りになった、独自の最高水準のセットを聴かせていただき、4時間弱はあっという間でした。あたかもライブステージを感じさせる音に僕も生徒さんも、ジャズの歴史的名演を堪能しました。
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少なくともジャズという音楽は、データやウェッブサイトの貧しい音で理解などできません。まずベーシストの雄弁さを聴き取るべきで、これはPCのスピーカーや圧縮した音源では無理です。ライブを聴くのが最も良いことですが、既に鬼籍に入った名演奏家たちの音楽的遺産は良い条件で再生するほかに方法がありません。そしてかっこの遺産に耳で触れることで、新しい音楽の方向性も生まれます。
非常に有意義な時間を過ごせたことを感謝します。
左から上野恒子さん、上野陽一さん。

# by sunrisek6 | 2016-03-28 08:38 | 文化芸術
2016年 03月 25日

六本木・サテンドール

六本木サテンドール・スペシャルセッションでした。
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今日のメンバーはルイス・パジェ(tp)、岡淳(ts)、片倉真由子(p)、伊藤勇司(b)、濱田省吾(ds)
初顔合わせでもあり、新鮮な気持ちでのセッションとなりました。
演奏曲目はジャズメッセンジャーズのライブラリーを中心にしたのですが、このようなセクステットのセッションではオーガナイズされたアレンジメントが必要で、またジャズメッセンジャーズならば演奏者もイメージを共通することができるからです。
このセッションは毎回演奏者を特定せずに、様々なジャズミュージシャンを出演させる方向で考えられていますから、短時間のリハーサルでアンサンブルをまとめなければなりません。
いつも共演者たちにはその意味で感謝しておりますが、今日は一人のミュージシャンからそのことについての賛意を知らされました。
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ジャズクラブのセッションが完全にリハーサルなしで行われることも多々あります。それぞれのミュージシャンはその場において音楽的な技量を試されるわけですが、これはジャズのだいご味でもある半面、準備なしのいい加減さが露呈することもあります。あまりに恣意的な演奏は面白くなく、これができ得るのは一部の天才でしょう。世界に目を向け見れば、さも自然発生的に演奏しているように見えながら、事前には綿密な意思の疎通と集中的な音楽上の権力の行使があります。音楽は生半可な民主主義など児戯に等しいのです。
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久しぶりに練習の重要さと、ジャズという音楽への絶対的な信頼を思い出しました。この熱い気持ちが一生を通して燃え尽きないようにすることのみが、僕のような音楽的凡人の唯一の道です。

# by sunrisek6 | 2016-03-25 10:16 | ライブ
2016年 03月 07日

町田・ニカス

10年ほど前まで僕のカルテットのレギュラー・ピアニストを勤めて頂いた元岡一英氏。
氏が週末にマスターを買って出られた、町田のジャズハウスの老舗である「ニカス」でのライブ。
僕のカルテットとしては初出演です。

このお店は何と言っても、まずレコードの音響が抜群です。
セットも非常に秀逸なものですが、音はお店の空気にも影響されます。
珍しく超自然的な物言いをしていますが、僕は唯物論者ではないので、このようなことは充分に起こりえることと普段から考えているのです。

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それは実際に演奏しても同じことが言えます。
このお店のお客さんも含めて、実にジャズらしい良い音がするのです。
アップライト・ピアノでしたが、椎名豊はいつも通りのエネルギッシュでジャズへの愛に満ちた演奏。
急遽お願いしたベースの高瀬裕は、さすがなプレイでカルテットに重厚さを寄与。
ドラムの広瀬潤次は、全体を包むビートで、さながら音楽の方向舵を握る操縦士のようでした。
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その興味深いソロは複雑で、良く聞いていないとロストしてしまいます。
今宵も危ない瞬間がいろいろあった、の図です。

次回の出演は、7月30日(土)。
小田急町田駅から徒歩2分。
どうぞお越しください。

# by sunrisek6 | 2016-03-07 13:34 | ライブ